国営事業

 国営最上川中流農業水利事業は、昭和42年2月、国の直轄事業として採択され、同年4月より調査を開始し、昭和47年10月着工した。当時は、農業用水の不足を補うため、山形市内87カ所に深井戸がさく井されるとともに、旧態依然とした用水路と、複雑多岐にわたる用水系統にあった。
 本事業は、このような状況を改良し、近代営農を営む必須条件である圃場整備に必要な水源を確保するために、最上川・馬見ヶ崎川に頭首工と東部幹線・西部幹線・中部幹線の各用水路を構築するのものであった。
 本事業に要する費用は、当初61億円の計画であったが、その後の社会情勢の変化や西部幹線トンネルの2回にわたるガス爆発事故による遅れなどがあり、2回の計画変更を経て4倍以上の255億円となった。
 最上川の水は、着工以来9年の歳月を経た昭和56年4月22日、待ちわびる山形盆地に初めて流れ来て、約1,500haの水田を潤した。今、山形盆地は最上川の豊かな水に潤され、機械化された近代農業が営まれている。
 造成された各用水施設は、本区管理棟4階の中央管理局とNTTのD-1回線で結ばれ、取水量及び分水量のコントロール、ポンプの運転状態の確認と停止、除塵機の稼働確認などが集中的に管理できるように遠方監視制御装置がとられている。
県営事業

 本事業は、国営最上川中流農業水利事業が完全に機能し、土地改良事業の目的である農業生産性の向上、農業生産の選択的拡大、および農業構造の近代的改善を図る農業生産基盤の整備が確立されるように国営事業に付帯して取り組んだ灌漑排水事業である。 
 昭和49年採択され、国営事業と並行して事業を進める計画であったが、国営事業の計画変更などにより4年間ほど足踏みし、昭和53年度に再認可を受けて翌54年度より着工した。
 本事業の内容は、事業費23億1,400万円をもって須川西部地区の4つの河川と須川上流金谷地区の計5ヵ所に頭首工を築造(後に2ヵ所は既設利用に計画変更)し、渓流水の有効利用を図るとともに、漆山揚水機場を新設し出羽東地区へ送水して、さらに15ヵ所の用水路を新設改修して、用水の合理的再分配を行い、受益地に安定した用水を供給するものである。
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